MSSSは複数車線を同時に測定できる新型オービス
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警察庁では、2016年度から全国各地の都道府県警に設置が容易で可搬性もある「新たな自動速度違反取締装置」の導入を進めていて、これらは「新型オービス」と呼ばれています。新型オービスはレーザー式とレーダー式に分けられますが、レーダー式で複数車両を同時に追跡が可能とされる「MSSS」の測定性能が判明しました。

MSSSは本体手前にフラッシュライト

センシス・ガッツオ・グループ(センシス)は、スウェーデンに本社があり、レーダー式による高性能な自動速度取締装置を世界各地に納入しています。このうち、「MSSS」は「モービル・スピード・セイフティ・システム」の略で、その名の通り可搬式の新型オービスです。

MSSSは可搬式とするために、カメラやセンサーなどを搭載する本体部と、フラッシュライト、バッテリーがそれぞれ別ユニットという構成。本体部にはカメラとレーダーが装備されており、複数車線を追跡可能です。バッテリーは8時間ほどの充電で1000件の取り締まりが可能で、測定データは4万件も入ります。

MSSSは、2016年度の新型オービス本格運用にさきがけ埼玉県警で試験運用を開始。埼玉県内では、当時から夜間の取り締まりが目撃されています。パトカーに搭載される従来型のレーダー式取締装置と異なり、MSSSを設置する際は、本体部の前方にフラッシュライトが置かれることが特徴です。

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MSSSは白色ストロボ光でカラー撮影

MSSSの日本国内代理店である沖電気が作成した資料によると、MSSSが使用するレーダー波は24GHz帯で、「レーダー照射角度(29度)よりカメラ画角(18.5度)が狭いため、取締り車線がすべてカメラで撮影できていれば速度計測が可能」と記載。複数車線の取り締まりが可能です。

また、「MSSS」のフラッシュは、従来のオービスのような赤外線ストロボではなく、白色のストロボ光であることも明らかになっています。白色のストロボ光を使用する理由は、ドライバーの写真をカラー撮影するためです。

さらに、センシスがWebサイトで公開している動画によれば、MSSSは3車線を走る自動車を複数台同時に計測することも可能とのこと。走行車両それぞれについて、本体を設置した150m手前から1秒間に21回レーダーでスピードを計測。本体の50m手前に置かれた撮影ポイントでは、速度違反車両のみを撮影する仕組みです。

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