パトカーの赤色灯がブーメラン型になるまでの歴史
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警察の白黒パトカーといえば、ルーフ上に取り付けられた赤色回転灯が目印。パトカーの赤色灯は上から見るとブーメランのような形をしています。パトカー以外で見かけることがないブーメラン形状はどうして選ばれたのでしょうか。じつは、パトカーの赤色灯にとって大変重要な機能がこの形状に隠されているのです。

パトカーの赤色灯は古くはバータイプ

かつて白黒パトカーのルーフに取り付ける赤色灯は、中央にぽつんと一つ置かれるタイプが一般的でした。今でも、通常走行では赤色灯を隠しておく必要がある覆面パトカーにはこのタイプが使われています。

しかし、高さが低く赤色灯自体も小さいため、遠くから見にくいという欠点がありました。そこで、昭和後期になるとルーフ幅いっぱいに取り付けるバータイプのパトカーの赤色灯が登場。当時、テレビで人気だった警察ドラマでよく見られるのがこのタイプの赤色灯です。

バータイプを採用することで、赤色灯の視認性は大幅にアップしました。ただし、このバータイプにも欠点があったのです。というのも、パトカーを横から見た場合に赤色灯の見える面積が狭く、緊急走行時に交差点で見落とした車が横から突っ込む危険性が残ってしまうのでした。

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パトカーの赤色灯にブーメラン型登場

こうして、赤色灯メーカー・パトライトが「横からも見やすいものを」と開発したのが、いま主流のブーメラン型というわけ。パトカーにはブーメランのくびれ部分を前方にして取り付けられています。

バータイプからブーメラン型になったことで、横から見える赤色灯の面積も大幅にアップ。緊急走行時の安全性も向上しました。もちろん、緊急走行時は赤色回転灯の「目」だけでなくサイレンの「音」でも警告し続けるのはいうまでもありません。

また、パトカー赤色灯のブーメラン形状は空気抵抗を少なくする効果もあります。大型の赤色灯を天井に取り付けると、どうしても空気抵抗が増えてしまうもの。形状を工夫して赤色回の空気抵抗を減らすことで、燃費アップにも貢献しているようです。

ブーメラン型のパトカー赤色灯は全国各地で配備されていて、最近ではミニパトにも続々導入されています。一方、護送車などのワンボックスタイプの警察車両では、いまだにバータイプの赤色灯が使われているケースも多いようです。

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