お葬式の進化系「宇宙葬」なるものが、お手ごろ価格で利用できるようになっています。宇宙葬というとロケットでの打ち上げを想像する人も多いでしょう。しかし、意外な方法で散骨する宇宙葬も存在。そもそも宇宙葬とはどんな埋葬方法なのか、気になる費用はいくらなのか、さっそく見ていきましょう。
宇宙葬用バルーンで成層圏で散骨する
宇宙葬の場所を調べてみると、NASAでも種子島でもなく「栃木県宇都宮市」でした。宇宙葬の会場に行ってみると、大きめの風船がフワフワと浮いています。そして、喪服の人が風船をとめている紐にハサミを入れると、その風船は勢いよく空へ飛んでいきました。
これが遺灰をバルーンに詰めて宇宙に打ち上げる新しい散骨方法「宇宙葬」です。1時間半後には成層圏に達して、バルーンが破裂して散骨されます。一般的な気球のサイズが約18mほど。宇宙葬用バルーンは約2mしかありません。ホントに宇宙まで飛んでいくのでしょうか？
実験用に宇宙葬用バルーンにカメラを搭載して撮影された映像を見てみると、カメラが映す地面はみるみるうちに遠ざかり、40分後には地球が青く見える高さまで飛んでいます。そして、2時間後にはほぼ宇宙のような景色に…。2時間41分後、宇宙の入口である成層圏に入り、高度32kmで宇宙葬のバルーンが破裂していました。
宇宙葬の費用はバルーンは24万円から
宇宙葬の風船は、0.01気圧まで耐えられる構造のため、地上35kmまで上がることができます。成層圏の気圧にも耐えられる特別なものなのです。
この宇宙葬、気になるお値段は24万円から。墓不足が叫ばれる現在、関東圏で墓を購入しようとすると、その平均はなんと300万円です。墓を買う代わりに宇宙葬をすると考えれば、じつにリーズナブルです。
実際、宇宙葬には墓不足による申込者はもちろんのこと、独り身の人からの生前予約も増えているといいます。実際に宇宙葬を行った人に話を聞いてみると、みんなに送られて上がっていったという実感があったとのこと。宇宙葬は楽しい思い出になったといいます。
宇宙葬の費用は人工衛星で100万円以上
じつは、2013年から日本でも受付を開始した、本場アメリカのより本格的な宇宙葬もあります。それは、1gの遺灰をカプセルに詰めて、およそ100人分をロケットで打ち上げるのです。
カプセルと載せた人工衛星が地球上のどのあたりを周回しているのか、その位置をスマートフォンやPCから確認できるというもの。いつでも夜空を見上げて故人を偲ぶことができるのです。お値段はおよそ「20万円」になります。
このほか、位牌を収めたカプセルを人工衛星に搭載して宇宙空間へ打ち上げるプランなど、さまざまな宇宙葬サービスが開発されています。ちなみに人工衛星の宇宙葬の費用は、100万円以上となっています。
