いまや高速道路でのETC利用率は9割を超えていますが、ETCカードを使いたくてもクレジットカードが作れず、ETC利用をあきらめているドライバーも存在します。実は、ETCカードをクレジットカードなしで作る方法もありますが、使い勝手が悪いのです。ETCカードをクレジットカードなしで使う場合、どのような方法があるのでしょう。
ETCカードをクレジットカードなし2種
高速道路の料金支払いに利用するETCカードは、クレジットカードに紐付けする形で発行するのが基本になります。これは、ETCカードの通行料金はICなどを通過する時点では確定せず、走行ルートや各種割引を調整の上後日請求する仕組みのためです。
そこで困るのが、さまざまな事情によりクレジットカードが発行できないドライバーで、そのほとんどがクレジットカードなしという理由でETCカード利用をあきらめていると思われます。しかし、ETCカードにはクレジットカードなしで発行できるものが2種類用意されています。
ふたつの方法は、決められた金額のデポジット(保証金)を預けることによりETCカードを発行するもので、「ETCパーソナルカード」「ETCコーポレートカード」が用意されています。どちらのETCカードも発行にあたり事前審査は行われないため、クレジットカードなしの人も安心です。
ETCカードのクレジットカードなし比較
なお、ETCコーポレートカードについては、金融機関による保証を受ける、あるいはETCコーポレートカードの発行・管理を行う事業組合に入ることでデポジットを預ける必要がなくなります。とはいえ、どちらもなんらかの形で信用情報の審査が行われるため、クレジットカードが発行できないドライバーには不向きです。
ETCパーソナルカードとETCコーポレートカードを比較した場合、ETCパーソナルカードはデポジット金額が最低2万円以上なのに対し、ETCコーポレートカードは10万円と高額です。なお、デポジット金額は月利用金額の4倍以上を目安に決められ、ETCパーソナルカードではデポジット金額の80%に達すると利用停止となります。
次に、ETCパーソナルカードとETCコーポレートカードのおトク度を見ていくと、ETCパーソナルカードはポイント還元方式のETCマイレージサービス、ETCコーポレートカードには利用金額が一定金額を超えると直接割引になる「大口・多頻度割引」が用意されています。
ETCカードのクレジットカードなし割引
ETCマイレージでは、利用金額100円につき10ポイントが貯まる仕組みで、貯まったポイントは通行料金分と交換して使用します。その際の交換率は最大1ポイント1円相当で、還元率は10%、割引率にすると約9.1%です。
一方、ETCコーポレートカードの大口・多頻度割引は、NEXCO3社合計の利用が月5000~1万円までが10%、1~3万円が20%、3万円を超る分は30%となります。さらに、ETC2.0車載器を利用すると10%割引率がアップするため、ETC2.0車載器を取り付け月9170万円以上利用するとETCパーソナルカードよりおトクになります。
ただし、大口・多頻度割引の対象路線はNEXCO3社の場合「高速自動車国道」指定路線と圏央道(新湘南バイパスを含む。ETC2.0)・京葉道路・東京湾アクアライン・伊勢湾岸道路(ETC2.0)のみです。そのため、第三京浜や京滋バイパスなど、高速自動車国道でない一般有料道路の走行が多いドライバーはおトク度が下がります。