路上に設置されたカメラといえば、無人式の自動速度取締装置のオービスをイメージする人が多いでしょう。しかし、路上にはさまざまなタイプのカメラが設置されています。路上のカメラを見るたびにオービスと勘違いしていては気が落ち着きません。Nシステムとは速度取締りのオービスと何が違うのでしょうか。
Nシステムとは通過車両のナンバー撮影
路上に設置されているカメラは多種多様です。「Nシステム」とは、通過車両のナンバープレートを撮影している警察の監視カメラ。「Tシステム」は交通状態の管理が目的で、通過車両のナンバープレートを撮影するカメラです。ただし、こちらは管轄が国土交通省になります。いずれも速度違反の取り締まりは行いません。
一方、無人式の自動速度取締装置のオービスは4種類あります。Xバンド(10.525GHz)のレーダー波を使って車速を測定する「レーダー式オービス」と「Hシステム」。そして、近年主流になっている、道路に埋め込まれたループコイルで車速を測定する「ループコイル式オービス」と「LHシステム」です。
このうち、レーダー波を使うレーダー式オービスとHシステムは独特の形状をしたレーダー部が路上に設置されているため判別は容易でしょう。ループコイル式オービスはカメラが路肩や中央分離帯などに設置されているため、路上の監視カメラと間違えることはありません。
Nシステムとは違反を取り締まらない装置
そして、路上の監視カメラと混同しやすいオービスがLHシステムです。地中に埋設された磁気センサーで車速を測り、違反車両の撮影は路上に設置された赤外線ストロボとCCDカメラで行うのがLHシステムの仕組みになります。
この路上に設置された赤外線ストロボとCCDカメラの組み合わせの形状が、Nシステムによく似ているというわけです。速度違反の取り締まりを行うLHシステムを見極める、最も効率的な方法はLHシステムの特徴を掴むことです。
LHシステムを見分けるポイントは、支柱に設置されている赤色灯付きの制御ユニット。これがあるかどうかで容易に見分けられます。ただし、道路標示板の裏側など、制御ユニットが見えない位置に設置されているケースもあるので注意が必要です。
そして、Nシステムとは違反を取り締まる装置ではないことも知っておくべきポイント。手配車両などがどういう経路で移動しているかなどの把握のために利用されています。このため、Nシステムを見つけたからといって、減速する必要も、回避する必要もありません。