ETC割引のなかでも、とくに割引率が高いことで知られているのが東京湾アクアラインの「アクアライン割引」です。普通車がETC割引で75%オフの800円という価格に、週末には「アクアライン渋滞」がおきていたほどです。しかし、アクアライン割引はETCで75%オフでも通行料金がまだ割高な部類の路線なのでした。
アクアライン割引は75%と高い割引率
数あるETC割引のなかでも、東京湾アクアラインに関する「アクアライン割引」は、割引率が高いことで有名です。普通車であれば、現金利用の通行料金が3140円なのに対しETC利用では800円。約75%という高い割引率です。
しかし、実はこの「普通車800円」というアクアライン割引後の料金自体は、NEXCO3社が管理する他の路線と比較するとまだ割高。そこで、東京湾アクアライン以外の路線の通行料金がどのように決められているのか見ていきましょう。
NEXCO3社路線では、走行距離で通行料金を計算する路線と、各IC間の料金表が決められている路線の2種類が存在。全国的には、走行距離で計算する路線の方が圧倒的に多く、料金表を利用するのは、東京外環道や第二神明道路といった幹線をカバーする路線に限られます。
走行距離制の場合、東京・大阪近郊の「大都市近郊区間」は1kmあたり29.52円、そのほかの「普通区間」は1kmあたり24.6円です。実際の通行料金は、これに利用1回ごとにかかる150円を加え、合計金額に消費税率を掛けて四捨五入しています。
アクアライン割引後でも料金は割高
また、料金表を利用する路線でも、ETCを利用する場合の距離あたりの料金は、走行距離制の路線とほぼ同じです。ただし、地域的な事情で距離あたり料金が割安な沖縄道や、京葉道路や第三京浜のように歴史的な経緯から割安になっている路線も存在します。
東京湾アクアラインについては、浮島JCT~木更津金田ICの距離は15.1kmで、普通車の通行料金はアクアライン割引後で800円。この料金から消費税や一回あたりの利用料金などを逆算して、1kmあたりの通行料金を計算すると約38.2円です。
大都市近郊区間の29.52円と比べると、1kmあたり10円近く割高。つまり、東京湾アクアラインはアクアライン割引でお得なのではなく、現金利用ではとてつもなく高いということです。とはいえ、ほぼ一直線で運転しやすく渋滞も少ない東京湾アクアラインは、多少料金が高くても利用するメリットは大きいでしょう。