警察が取り締まる交通違反は、スピード違反や飲酒運転のほかにも、信号無視や一時停止違反などさまざまあります。中でも注意したいのが、横断歩道に歩行者がいるとき、自動車が一時停止せずに通過してしまう交通違反です。実際、横断歩道一時停止違反の取り締まり件数も年々増加して、昨年度は5年前の2.3倍となっています。
横断歩道一時停止違反に警察庁が通達
横断歩道は歩行者優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務があります。とくに横断しようとしている歩行者がいる場合、横断歩道では自動車側が歩行者を優先して一時停止する義務があります。
これを守らないと「横断歩行者等妨害等」という違反です。実際、警察庁は「信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発・指導の強化について」という通達を2018年10月に各都道府県警に出しています。
中身を見ると、横断歩道で一時停止しない自動車はどんどん摘発せよというもの。なかには、横断歩道近くにパトカーや白バイを隠して止め、待ち伏せで取り締まるケースもあるので、歩行者のいる横断歩道での一時停止には気を付けましょう。
横断歩道一時停止違反の反則金は9千円
実際、歩行者が待つ信号機のない横断歩道で、自動車が一時停止するかどうかを確認した日本自動車連盟(JAF)の調査があります。
具体的にはは、信号機のない横断歩道へ実際に職員が行き、横断する歩行者がいた際に自動車が一時停止するかどうかを確認するというもの。すると、全国平均で一時停止する自動車はわずか「8.6%」という低い結果だったのです。
都道府県別のデータを見ると、一番守っている長野県では「58.4%」が一時停止をしているのに対して、一番低い広島県ではわずかに「1.0%」。ほぼすべての自動車が、歩行者のいる横断歩道で一時停止していないことになります。
なお、横断歩行者等妨害等の反則金は普通車(軽自動車を含む)では9千円です。違反点数は2点となっています。