突発的な豪雨やトンネル事故などで高速道路が通行止めになり、一般道へ迂回するといったケースは少なくありません。また、メンテナンスのために行われる集中工事でも、高速道路から一般道への迂回を勧められることがあります。こうした場合には、高速道路に迂回しても損にならない特例がありますが、ETC利用と現金利用では手続きに大きな差があるのです。
高速道路の迂回分を引いて料金計算
事故や工事・天候悪化で高速道路が一部通行止めになった場合、高速道路会社は一般道へ迂回する出入口ICを指定します。例えば、関越道の関越トンネルが火災事故で通行止めになった場合は、月夜野ICと湯沢ICが回用の出入口ICに指定されるといった具合です。
NEXCO3社の場合、指定ICを利用して迂回した場合の料金は、連続走行した通行料金から迂回して高速道路が利用できなかった区間の料金を引いて計算します。ただし、迂回区間の距離が長くなり通常に通行料金を支払った方が割安な場合はこの調整は行われません。
例えば、練馬ICから長岡ICまで走行予定のところで月夜野IC~湯沢ICを一般道へ迂回した場合、そのまま通行料金を支払うと合計が普通車6840円となり、連続走行した場合の5920円より割高になってしまいます。しかし、この迂回に関する特例が適用されると5040円で済み、連続走行より割安で済むのです。
高速道路の迂回料金はETCは自動適用
首都高速と阪神高速で通行止があった場合は、ETC利用では迂回して利用できなかった区間の走行距離を引いて通行料金を計算。NEXCO3社と比べて計算方法がシンプルなのは、首都高速と阪神高速には長距離割引がないためです。なお、現金利用の場合には、乗り直し時に料金が不要となる仕組みです。
事故等での迂回に関する料金特例は、ETCを利用する走行では自動で適用されます。一方、現金で利用する場合は手続きが複雑です。現金利用の場合、最初に高速道路を降りる時点で通常に通行料金を支払ったうえで「高速道路通行止め乗継証明書」を発行してもらいます。
その上で、再度乗り直したICで通行券を発行し、目的地のICでは係員へ通行券と「高速道路通行止め乗継証明書」の両方を渡し、迂回特例料金から一旦支払った通行料金分を引いた額を支払うという形になります。現金利用では、この手続きを怠ると割高な通行料金を支払う羽目となるため、ETC利用の方が安心です。