速度取締りオービスに「ダミー」が増えている理由
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警察による速度違反の取り締まりは大きく「有人式」と「無人式」の2パターンがあります。有人式は警察官が現場で行う取り締まりで、ネズミ捕りやパトカー追尾式などがそれ。一方の無人式は路上に設置されたカメラと赤外線ストロボで速度違反者を自動的に撮影する「オービス」です。ただし、オービスにはダミーが存在するのでした。

オービス部門から撤退したメーカー

路上に設置されて、自動で速度違反を取り締まっている無人式のオービスは、すべて稼働しているとは限りません。中には、動作していないオービスもあるのです。とくに、はんぺん型のアンテナが特徴のオービス「Hシステム」でダミーはよく見られます。

これまでオービスは、Xバンドのレーダー波を使って車速を測定する「レーダー式オービス」と「Hシステム」が主流でした。近年は、道路に埋め込まれたループコイルで測定する「ループコイル式オービス」と「LHシステム」が増えています。

このうち、Hシステムの製造メーカーは三菱電機です。じつは三菱電機は2008年にオービス部門から撤退。現在はメンテナンスと裁判関係をサポートしているのみです。レーダー式オービスと同様に、LHシステムへの置換が進んでいます。

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オービスの中には動作しないダミー

メーカーが撤退してしまったHシステムは、はんぺん型をしたアンテナの両脇に赤外線ストロボとCCDカメラが並ぶのがワンセット。ところが、よく見ると、赤外線ストロボが取り外されていたり、中央のアンテナがなかったり、カメラのケース内が空っぽだったりするHシステムがあるのです。

アンテナで車速を測定して、赤外線ストロボの発光とともにカメラで違反車を撮影するのがオービスの基本システム。これらのうち、どれかが欠けてしまっていては、速度違反の取り締まりに支障をきたさないわけがありません。

場合によっては、路上のHシステムが外見上は揃っていても、支柱に設置されている肝心の制御部が取り外されているケースもあります。このように、速度取り締まりのオービスの中には動作していないダミーが存在するのです。とはいえ、スピードの出しすぎは危険。制限速度を守って安全運転を心がけましょう。

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