交通違反でキップを切られて支払うお金はすべて「罰金」というのは大きな誤解です。交通違反のペナルティとして支払うお金には「罰金」のほか「反則金」と「放置違反金」があり、前科や違反点数など大きな違いがあります。交通違反の「罰金・反則金・放置違反金」の違いを見ていきましょう。
交通違反に罰金・反則金・放置違反金
交通違反にはじつは4つの種類あります。1つめはシートベルト違反など違反点数だけが加算されるもの、2つめは交通違反の中でも「反則行為」と呼ばれる軽微なもの、3つめは交通違反でも軽微でない「非反則行為」と呼ぼれるもの、4つめは駐車違反で車の持ち主が放置違反金を支払うタイプです。
そして、交通違反のペナルティとして支払うお金には「反則金・罰金・放置違反金」の3種類があります。それぞれ交通違反の4種類の2つめ、3つめ、4つめの行為に対して支払うものです。
交通違反の多くは、道路交通法違反になります。罰則付きの法律を犯すことは犯罪行為です。刑事手続きで扱わなければなりません。この刑事手続きに進んだ結果として支払うのが「罰金」です。
交通違反の罰金も刑罰の一種なので前科
しかし、件数があまりに増大したために1968年に制度化されたのが「交通反則通告制度」です。これは、軽微な交通違反は反則行為とすることで「反則金」を納付すれば、刑事手続きで扱わないようにするというルール。いわゆる青キップと反則金の納付書が交付されます。
軽微ではない非反則行為と呼ばれる交通違反は、交通反則通告制度の範囲外。赤キップになる交通違反は、交通裁判所に呼び出されて刑事手続きに進みます。とくに不服がなければ略式の裁判により、すぐに罰金を払うことになります。
なお、罰金は刑法に定められている刑罰の一種。そして、刑罰を受けたことがある経歴を「前科」と呼びます。交通違反の罰金も刑罰なので前科となるというわけです。
「放置違反金」は反則金や罰金と違って、交通違反者を対象としていません。お金を支払うのはクルマの持ち主。2006年にスタートした駐車監視員制度と同時に設けられた車両の使用者の義務を強化した新しいペナルティです。