一口に「パトカー」といってもミニパトから装甲仕様のものまでさまざまな種類があります。このうち、各都道府県の方面本部で活躍する主力車両「無線系警ら車」について、その価格を調べてみました。町でよく見かける白黒パトカーは1台いくらするのでしょうか。「交通取締用四輪車」の値段と合わせて見ていきましょう。
パトカーの値段は警察庁がコントロール
覆面仕様を除いた一般的な白黒パトカーには「警視庁」「神奈川県警察」のように所属都道府県警名が大書きされています。運用するのも当然、各都道府県警です。
しかし、各都道府県の方面本部で活躍する主力車両「無線系警ら車」と、スピード違反の取り締まりに使われる「交通取締用四輪車」については、警察庁が全国まとめて一括購入しています。すなわちパトカーの値段は警察庁がコントロールしているのです。
ちなみに、駐車違反取締用のミニパトや私服警官用の覆面パトカーなどは、各都道府県警が独自で購入しているケースもあります。
警察庁の2016年度購入分については、無線警ら車と交通取締用四輪車のいずれも、トヨタの210系クラウンが採用されていました。無線警ら車は2.5Lエンジンのロイヤル、交通取締用四輪車は3.5Lエンジンのアスリートがベースになっています。
白黒パトカーの値段は覆面より安かった
無線警ら車には2WD車と4WD車があり、パトカー1台あたりの値段は2WD車が約298万円、4WD車が約326万円でした。一方、交通取締用四輪車のパトカーは1台あたり約334万円、覆面パトカーが約344万円。装備的に地味な覆面パトカーの方が割高です。
ちなみに、その当時に市販されていた2.5Lエンジン搭載のクラウン・ロイヤルは一番安いグレードで373万円。3.5Lエンジン搭載のクラウン・アスリートの場合524万円となっています。
特殊装備を数多く積むパトカーの方が、一般モデルより値段が安いのは意外なところ。パトカーの内装をダウングレードしている程度では説明が付かない価格差です。パトカーが安い理由は、メーカーからの直接納入で販売コストがかからないことに加えて、一括購入による割引が利いていると考えられます。