高速道路のドライブでいまや必須の「ETC」ですが、利用に必要なETCカードはクレジットカードと組み合わせるのが基本。これは、ETCが後払い制であることが理由で、銀行口座から即引き落としがかかるデビットカードではETCカードは作れません。しかし、ETCカードに対応したデビットカードが1つだけ存在。「北國VISAデビットカード」です。
デビットカードはETCと相性が悪い
デビットカードは、銀行口座から利用料金が即時引き落とされるカードで、銀行口座の残高まで利用可能な仕組みです。そのため、銀行口座があれば審査なしで発行できるほか、VISA・MasterCard・JCBといったクレジットカードの国際ブランドと提携したものであれば、ほぼクレジットカードと同様に利用可能です。
しかし、即時決済に対応できないサービスではデビットカードは利用できず、その代表的なものがETCです。ETC利用に必要なカードは、保証金(デポジット)を積む一部のカードを除き、クレジットカードに紐付ける形で発行されます。これは、ETCの決済システムが基本的に後払いをベースに作られているためです。
ETCを利用して高速道路を通行する際は、料金所ではETCカードが有効かどうかをチェックするのみで、実際の料金は途中経路やETC限定割引などを合わせて集計したうえ、後日クレジットカードへ請求が届きます。この仕組みはデビットカードとの相性が悪く、ほとんどのデビットカードではETCカードを発行できません。
北國VISAデビットカードのETCカード
ところが、全国の金融機関で唯一デビットカードを利用してETCカードを発行できる会社があり、それが石川県金沢市に本店を構える北國銀行です。北國銀行へ口座開設のうえ、デビットカード「北越Visaデビットカード」を発行すれば、それに紐付ける形で「北國ETCカード」が利用できるようになります。
北國ETCカードの決済は、デビットカードと異なり後払い制で、2021年6月1日~8日のETC走行分については6月28日といった具合に、3~4週間後にまとめて銀行口座から引き落とされます。つまり、北國銀行がクレジットカード会社と同様の信用保証を行うことで、ETCカードの利用が可能となっているのです。
北國VISAデビットカードは、発行の年齢制限は15歳以上となっているため、高校生で自動二輪免許を持つ人でもOK。また、北國銀行の支店網は石川県・富山県・福井県の北陸3県を中心に展開していますが、東京・大阪・名古屋にも支店があり口座開設が可能です。