220系クラウンがデビューした当時、パトカーファンは多いに盛り上がりを見せていました。しかし、クルマに詳しくない人は「クラウン」はともかく「系」とはどのような意味なのか、「220」をどう読めばいいのか…といった点も気になるかもしれません。これらの意味や読み方は、どのように決まっているのでしょう。
220系クラウンパトカーの目撃情報
パトカーマニアがパトカーの車種を語る際、単にクラウンではなく「210系クラウン」「220系クラウン」といった呼び方をします。このうち、220系クラウンは、2021年秋から全国各地で目撃されており、検査の後に今冬にも正式に配備予定の新型モデルです。
この「クラウン」の前に付けられる「210」「220」という数字は、ベースとなるトヨタ・クラウンが何年に製造され、どのようなモデルなのかを表す「車両型式」の一部です。車両型式は、陸運局に車検登録する際に車種を区別するための記号で、パトカーに限らず公道を走行するすべての車種に割り振られています。
車両型式で車種を区別するのはパトカーマニアに限らず、カーマニアの間でも一般的なもの。例えば、カローラレビン・トレノの熱烈なマニアは「86」「92」など車両型式の数字で区別する、ポルシェマニアはポルシェ911を呼ぶときに車両型式の「991」「997」といった数字を使いたがる…といった具合です。
それではクラウンパトカーに「210」ではなく「210系」と「系」が付くのはなぜなのでしょう。これは、クラウンではさまざまなグレードにより車両型式が微妙に異なることがあり、単に「210」としてしまうと正しい車両型式にならないことがあるためです。
210系クラウンパトカーの車両形式
例えば210系クラウンパトカーの場合、2WD車の無線警ら車は車両型式が「DBA-GRS210」、4WD車は「DBA-GRS211」、交通取締用四輪車は「DBA-GRS214」となります。そのため、これらのクラウンを総称するために、「210系」と「系」を付けているのです。
ちなみに、車両型式のダッシュよりうしろ側のアルファベットや数字は自動車メーカー側で自由に選べますが、ダッシュより前は排ガス規制への対応状況を表す記号のため、勝手に選べません。210系クラウンパトカーの「DBA」は、平成17年規制の基準75%低減レベル認定を満たしたハイブリッドなしのガソリン車…という意味です。
また、210系クラウンの「210」の読み方は「にひゃくじゅう」「にーいちまる」の2種類が考えられますが、パトカーマニアの間では数字をひとつずつ読む「にーいちまる」の方が優勢です。すなわち220系クラウンパトカーの数字は「にーにーまる」と読みます。
この事情はパトカーに限らず、他のカーマニアも同様です。例えば、カローラレビン・トレノの傑作モデルである車両型式「AE86」は「ハチロク」として語り継がれ、ついにはトヨタの現行スポーツモデル「86」として車名にもなりました。もちろん、トヨタ・86の「86」の呼び方は「ハチロク」です。