水上警察署は全国で3か所のみ…その都道府県は?
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全国各地にある警察署は、「丸の内警察署」のように地名+警察署で名付けられるのが基本です。しかし、全国には3か所だけ「○○水上警察署」という名前の警察署があります。この警察署は、水上に警察署が建てられているわけではなく、警察の役割のひとつである「水上警察」を担うための専門部隊を揃えた警察署なのです。

水上警察署は大規模港の海上が担当

各都道府県警が設置する警察署のうち、特殊な業務を担っているのが「水上警察署」と名付けられた警察署です。水上警察署は、大規模な国際港を持つ都府県警が設置し、港湾内の海上を管轄。港湾内の警備や犯罪の取り締まり、そして事故発生時の救助などにあたっています。

現在、全国に水上警察署は神奈川県警横浜水上警察署、大阪府警大阪水上警察署、兵庫県警神戸水上警察署の3か所があります。このうち、横浜水上警察署と神戸水上警察署はそれぞれ横浜港・神戸港内の海上が管轄区域ですが、大阪水上警察署は大阪府内の海上をすべて管轄しています。

各水上警察署には、海上活動に欠かせない警備艇が配備され、操船を行う専門職員も勤務しています。また、各水上警察署ともに陸上にも一部管轄区域があり、横浜水上警察署の場合は横浜港大桟橋や赤レンガ倉庫地区などを受け持ち、車庫証明の発行なども行います。とはいえ、水上警察署の業務は多くが海上活動といえるでしょう。

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水上警察署がないエリアの海上警備

水上警察署は海のスペシャリストともいえる存在ですが、水上警察署がないエリアでも警察による海上警備や事故時の救助といった業務は発生します。そうした地域では、沿岸エリアを管轄する警察署が海上も担当するのが基本です。とはいえ、各警察署ごとに警察船を配備するとそのためのコストが上がってしまいます。

そこで、多くの都道府県警では警備船を常備する警察署を絞り、他の警察署が警察船が必要となる場合は応援を要請するという形を取っています。例えば、青森県警では八戸警察署に船舶を常駐させ、運行や整備は同署が行う仕組みです。

また、警視庁の場合は東京湾岸警察署が東京都内全域の海上を担当することが決められています。東京湾岸警察署は、もともと存在した東京水上警察署の組織を再編して2008年に誕生した警察署で、海上だけでなく都内湾岸エリアにも広い管轄地域を持つ点が特徴です。

海上警備の頻度が高い県に水上警察隊

さらに、海上警備の頻度が高い県警のなかには、県警本部の地域部や生活安全部に水上業務専門の部隊「水上警察隊」を設置するパターンもあります。現在、福島県警・千葉県警・福井県警・三重県警・滋賀県警・兵庫県警・和歌山県警・香川県警・宮崎県警に水上警察隊が存在します。

水上警察隊がある県警のリストには、海がない内陸県である滋賀県警が含まれています。実は、滋賀県警水上警察隊の活動エリアは海上ではなく、日本最大の湖・琵琶湖。琵琶湖の警備や事故時の救助などに活躍しているのです。

琵琶湖では、夏シーズンの海水浴だけでなく、年間を通じてジェットスキーやモーターボート・釣り船などが数多く走り、それらの事故対策が課題となっていました。そこで、滋賀県警では2010年に琵琶湖で交通指導や水難救助などにあたる水上警察隊を設置。警備艇も導入し、琵琶湖内の安全を守る活動を続けているのです。

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