
日本人の特徴として、よく「正確性の重視」が挙げられます。そもそも日本人の10人のうち8人が心配性。これは遺伝子に組み込まれていることです。この心配性が原因で正確性を重視するという特徴が生まれているというわけ。日本人の特徴が生まれるメカニズムを見ていきましょう。
日本人の特徴である正確性の意思決定
日本人の特徴である正確性がもっとも表れているのが電車。1周およそ1時間のJR山手線の運行時間を10日間調べた結果があります。1周の到着時間がもっとも早かった電車ともっとも遅かった電車の誤差はたったの15秒でした。
この正確性は、世界に誇るべき日本人の特徴といえるでしょう。はたして、この日本人の特徴はどのようにして生まれたものなのでしょう。じつは脳の意思決定システムと日本人の遺伝子が深く関わっているのでした。
そもそも人間の脳は何かを決めるときに、2つの意思決定システムを持っています。それが「Xシステム」と「Cシステム」です。Xシステムとは反射的(refrex)に意思決定するシステム。一方のCシステムは計算的(calculate)な意思決定システムです。正確ではあるものの、少し意思決定に時間がかかります。
日本人の特徴の正確性にはマイナス面
ここで日本人の場合、心配性であるがゆえに反射的なXシステムの判断にブレーキをかける傾向があるのです。そして、正確さや安全性をとろうとしてCシステムの判断に従おうとします。これが日本人の特徴である正確性の根源です。
早い意思決定が求められる場面が多いスポーツや会社の会議などでは、正確性を最優先する日本人の特徴は裏目に出ることもあります。よく優柔不断と言われる日本人の特徴と重なるでしょう。それは「判断を早く」といった早い意思決定が苦手ということです。
意思決定の遅さも、いわば日本人の特徴の1つといえます。日本人は、反射的なXシステムより計算的なCシステムで意志決定するため、一瞬の判断を遅らせてしまうというわけ。日本人の特徴「正確性の重視」はプラス面もマイナス面も表裏一体の関係なのでした。